水虫自体はくさくない!水虫になった足が臭い本当の理由とは?

水虫になった多くの人の足が臭いので、どうしても水虫感染=臭いとむすびつけてしまいがちです。

 

一方で、かかと水虫で足裏全体は乾燥ぎみのひとや、ポツポツ白い水疱ができるけど、乾燥して皮がめくれるだけの人もいて、こんな水虫症状で終わっている人の足のにおいは意外に臭くないものです。

 

それでは、水虫に感染したことは同じなのに、足の臭いの違いはどのように生まれるのでしょうか。

 

実は水虫菌といっしょに住んでいるブドウ球菌(※1)などの常在菌が作っている物質が悪臭の原因になっています。

 

足の裏には汗を分泌するエクリン汗腺(※2)が集まっていて、1日に200mlもの汗を出すといわれています。

 

そして私たちの汗を大好物とするのが、表皮で生きているブドウ球菌などの常在菌です。彼らは汗を感じると足指、隙間、足爪周辺で活き活きと動き出します。

 

そのときにアカや皮脂を分解して、イソ吉草酸(※3)とよばれる足が臭くなるにおいの成分を作り出してしまうのです。

 

つまり、水虫菌が不快な足の臭いの原因ではなくて、水虫感染していない人の誰の足にも住み着いているブドウ球菌などの常在菌が、足が臭くなる成分を作ることが原因です。

 

ですから、水虫でなくても、靴や靴下を長い時間履いて足が蒸れた人や足に汗をかきやすい人は足の悪臭が強くなってしまいます。

 

臭い足のにおいに関する用語
(※1)ブドウ球菌: 私たちの皮膚でたくさん生きている常在細菌の一種で、私たちの健康のために必要な大切な菌です。決して悪者ではありません!皮膚の表の方に住んでいるので表皮ブドウ球菌と呼ばれています。表皮ブドウ球菌は汗や皮脂を餌としてグリセリンや脂肪酸を作り出します。グリセリンは多くの潤いクリームに含まれているアレです。お肌にうるおいとしっとりした感触を与えてくれる保湿成分です。脂肪酸は肌を弱酸性に保って、体に悪い働きをするその他の細菌の増殖を防ぐ働きがあります。
(※2)エクリン汗腺: 私たちの全身のほとんどにあって、体温調節のために汗を出してくれています。この汗自体は無味無臭です。
(※3)イソ吉草酸: 多くの植物がもっている天然の物質でもあります。イソ吉草酸自体は腐ってきたチーズや口臭のような不快な刺激臭ですが、これに酸素などがくっついてできた新たな物質は快い香りがするものもあるため香料としても使われています。
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