かかと水虫がかゆくならない理由とは?
足裏と足横にできる水虫はあんなにかゆいのに、なぜかかと水虫は水虫だと気が付かないほどに痒みがないのでしょうか。
これは水虫の原因菌である白癬菌の特徴を知ることで分かります。かかと水虫は角質増殖型に分類されるのですが、これを引き起こすのも足裏と同じく、トリコフィトン・ルブルムとトリコフィトン・メンタグロフィテスと呼ばれる白癬菌です。
二種類の白癬菌ともに皮膚につくカビで、こっそりと私たちとの共存を好むようなおとなしい菌です。
強いかゆみや見た目も汚くなる赤み、そのあとに作られる水疱は免疫反応によるものです。私たちは外部の侵入者を退治する働き(免疫)を備えていますので、こっそり皮膚に潜入したつもりの白癬菌も、始めは免疫細胞に察知されて退治されます。
しかし、生き残った白癬菌の一部が私たちと共存して免疫反応も起きなくなり、それらが角層内部で増殖してかかと水虫となります。
この段階に入るとかゆみや赤み、水疱などの症状が表れず、角質がだんだんと厚く硬くなり、そしてボロボロと剥がれ落ちるようにもろくなっていきます。
これが角質増殖型の水虫、いわゆるかかと水虫になる過程です。そして免疫反応がおきなくなる理由、つまりかかと水虫がかゆくならない理由は医学的に解明されていないようです。
風邪と同じく身近な皮膚の病気の水虫も、まだまだ解明されていないことがあり、だからこそ身近な存在なのかもしれませんね。
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