医療機関で処方された飲み薬で完治させることが第一!
爪にできた爪白癬(爪水虫)は、通常は市販の薬をただ塗るだけでは治すことができません。爪水虫の原因となる白癬菌(水虫菌)は、塗り薬の届かない爪の内部に住み着いているため、そこまで薬が浸透していかないからです。
妊婦さんや肝臓機能が低下している方は飲み薬を服用できませんが、その他の方々は医療機関で処方された飲み薬を爪が生え変わり水虫菌の存在が確認されなくなるまで服用することで、爪水虫を完治させることができます。
一方で飲み薬を使えなくて悩んでいる方もいますし、水虫治療のために皮膚科へ行ってご自身の足をさらけ出すことに抵抗を感じる方もいるでしょう。
そこで安全な塗り薬のみで、自宅で爪水虫を完治させる方法に期待をするわけですが、結論は先に書いた通りとなります。
例外として、飲み薬を飲まなくても爪水虫が治る場合があります。それは爪の混濁が先端にのみ見られる場合や、爪の表面に白い模様の病変を形成する場合です。これらに限っては抗真菌剤(塗り薬)を塗るだけで治ることがあるようです。
また、爪を削って塗り薬を染み込ませたり、爪を柔らかくする尿素軟膏と塗り薬を併用して、ラップ等で密封すると有効なことがある程度です。
【医療機関で爪水虫ではないと診断された方へ】
「爪水虫かな?」と思ったら、できるだけすぐに皮膚科等で専門医師の診断を受けることを強くおすすめします。たとえ爪水虫ではなくても、症状に合わせて適切な治療をしてくれますし、ご自身が自宅で行うべきことを具体的に教えていただけます。
その上で、もしご自身の足の爪が変色・変形した汚い状態であり、自宅で綺麗にしたいと考えているようでしたら、お役立ていただけるだろう「足爪ケアのアイテム」があるのでまとめました。よろしければご参考ください。
なぜ、飲み薬で爪水虫を完治できるの?
飲み薬が、爪内部へ浸透していく下の図をご覧ください。
薬効成分を患部へ運ぶのは血液の役割です。血液は栄養素や酸素など、ありとあらゆるものを全身にくまなく運んでくれます。
口から入った飲み薬の薬効成分は、胃を通過して小腸へ到達します。小腸には無数の毛細血管が張り巡らされていて、主にここから吸収されていきます。その後、肝臓などの臓器を通過して爪に到達します。図の青い矢印が、この一連の流れを示しています.
さて、一つ疑問がわきませんか?
爪を切っても血が出ませんよね。つまり、爪には血管が通っていないことになりますが、どのように爪の内部にまで薬が浸透していくのでしょうか?
爪の根元には爪母や爪床と呼ばれる、血管の通った爪をつくる場所があります。ここで爪が作られるため、水虫菌は新しい爪の内部にまで住み着くことができず、綺麗な爪へと改善されていきます。
このように爪の根元から綺麗な爪へ生え変わっていきます。飲み薬は爪以外の皮膚にも有効なため、足裏・足横等の水虫全部を治すのに最も有効な方法ともなっています。
しかし、妊婦さんや臓器(特に肝臓)の弱い方は服用することができません。そこで活躍するのが、塗り薬になります。
爪水虫とにごり爪・変色爪の見分け方
これまでの通り、爪水虫は市販の塗り薬のみで完治できるものではなく、医療機関で処方された飲み薬で時間をかけて完治させていくものです。
また、爪水虫も見た目だけで診断できるものではありません。爪水虫に見られる爪の濁り・混濁や黄色・白色調などの変化は、次の疾患でも確認できます。
厚硬爪甲(こうこうそうこう)
高齢の方に見られる、爪が厚くなって硬くなる症状。
カンジダ
白癬菌(水虫菌)以外のカビが爪に入り、爪水虫によく似た症状を示す。
爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)
爪とその下の皮膚が剥がれて、爪を上から見ると白く見える疾患ですが、爪が厚い場合には爪水虫との区別が難しい。
その他にも乾癬(かんせん)でも爪水虫とそっくりの症状を示すことがありますし、足先の尖った靴などで変形した小指の爪は、爪水虫と見間違えることもあります。
足の爪が黄ばんできたり白く濁ってきたり、若干でも汚く見える変化に気がついたら、第一に皮膚科で診察されることを強くおすすめします。お医者さんとともに完治させることを最優先されてください。
参考記事:【画像解説】爪水虫の見分け方と時間経過による色と形の変化
爪水虫の治し方 | 飲み薬を服用せず塗り薬で完治できるか?記事一覧
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この画像は、日数経過とともに変色してくずれた爪白癬(爪水虫)が悪化していく様子です。爪母(爪の生え際)から向かって右側が黄褐色に変色していき、だんだんと左側に広がっています。そして、全体を侵食する前に先に侵された部分からかけてしまいました。かかとのカサカサ・ゴワゴワとは違い、爪水虫の場合は素人でも比較的判別しやすく、この状態になっても放っておく人は少ないでしょう。ただ、爪がかけるまで侵されているの...