水虫菌は角質層などのアカのなかで1年以上も生きられる
黒い靴下を脱いだときに見られるたくさんのつぶつぶした白い粉。主に足の角質層(アカ)が自然に剥がれ落ちたもので、皮膚の新陳代謝によって古い角質層から新しいものへと入れ替わっていることによります。
水虫に感染している人のアカのなかには白癬菌(水虫菌)が潜んでいるので、その人が靴下を脱いだときにパラパラとアカが待った場所が水虫の感染源となってしまいます。
水虫の人の足を25cm四方の培地(細菌が育ちやすい栄養いっぱいの人工的な環境)につけた後に培養すると、高い確率で細菌が増えていくようです。当然その細菌のなかには、ブドウ球菌などの常在菌とともに水虫菌が含まれています。
こちらの記事「水虫の感染はいつまで?簡単で効果的な水虫感染対策を紹介」の通り、水虫の感染力は決して強くなく、少しの白癬菌が足についたからといってすぐに水虫に感染するものではありません。また、24時間以内に綺麗に足を洗えば水虫にほぼ感染しないとされていることからも、過度に神経を尖らせて感染予防をする必要もないでしょう。
実際に水虫菌は乾燥した床の上などで外気にさらされた状態で放置されると、比較的短時間で死んでしまうとされています。ただし皮脂や剥がれ落ちた角質層などのアカのなかにいる水虫菌は、十分な湿気と温度が保てれている場合、このアカを食べて栄養にして、数カ月間くらいは生き続けるとされています。
つまり水虫になった人の足のアカが落ちている所では、水虫に感染するリスクが高いことは確かです。そのような場所を判断する基準が、湿気と温度。「水虫がプール・温泉・バスマットで特に感染しやすい理由とは」でご紹介したとおり、これらの場所はいろいろな人が利用するので、水虫感染を未然に防ぐためにはできるだけ避けた方がよいかもしれませんね。
ただし、そのことによって遊びの選択肢がせばめられたり、ストレスがたまってはもともこもないですから、過度に神経質になってしまうのも良くないと思います。水虫は24時間以内に足を綺麗に洗ってあげれば感染をほぼ防げることを覚えておき、「夜のお風呂で綺麗にするからいいや!」くらいの大雑把な考え方が、私たちの行動を制限しなくする大切な心構えだと思います。
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